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不当解雇(違法な解雇)をした会社に対する損害賠償請求等

2024 12/03
労働問題 労働契約終了に関する問題(辞職、退職勧奨、解雇、整理解雇等)
2024年12月3日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

第1 はじめに

 不当な解雇(違法な解雇)をされた場合、解雇された労働者は、復職や、復職するまでの給与の支払いを会社に対して請求することができます。

 しかし、なかには不当な解雇(違法な解雇)を争いたいけれども、会社に復職する意思はない方もいらっしゃいます。そのような方は、復職を求めずに、会社に対して金銭請求をすることも考えられます。

第2 解雇予告手当の請求

 まず、解雇予告義務違反の解雇の場合、解雇された労働者は、会社に対して、解雇予告手当の請求ができます。

 解雇予告手当について、労働基準法20条1項本文は、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」と定めています。

 しかし、解雇後に労働者が解雇予告手当の振り込みを受けることによって解雇の効力を争う権利がなくなるわけではないですが、退職を前提とする行動をとると不当解雇の効力を争う際に支障が生ずる可能性があるので、不当解雇の効力を争う場合は、受け取った解雇予告手当の返還や、保管等の対応をとるのが無難です(「会社から不当解雇された場合の労働者の対応」参照)。

 昭和32年2月7日東京地方裁判所決定労働関係民事裁判例集8巻1号57頁は、当該事案の事情を踏まえて、解雇予告手当等を受領したことについて、解雇を承認したものということはできないとしていますが、当該事案の事情を踏まえたものであり、上記の対応をとるのが無難だと考えます。

第3 会社に対する損害賠償請求

 復職は求めないけれども不当な解雇(違法な解雇)の効力を争いたい場合、労働者は、会社に対して損害賠償請求をすることが考えられます(違法な退職強要等により退職した場合も、同様の手段が考えられます。)。

 損害賠償請求をする損害の内容としては、主に以下の4つが考えられます。

① 逸失利益

 逸失利益(将来得られなくなった収入)としては、不当な(違法な)解雇により退職させられなければ、会社で働き続けることで得られたであろう給与の相当額が考えられます。6か月分の賃金相当額の逸失利益を認めている裁判所の判断がありますが、それ以上の損害が認められている裁判所の判断もあります。

 ただし、6か月分未満の損害が認められている裁判所の判断もありますので、留意してください。

② 慰謝料

 不当解雇(違法な解雇)による精神的損害について、会社に対して慰謝料を請求できる場合があります。

 なお、慰謝料については、仮に裁判所に損害として認められても、低額になることが多いです。

③ 会社都合退職の退職金と自己都合退職の退職金の差額

 不当解雇(違法な解雇)によって自己都合退職の退職金しか支払われなかった場合、会社都合退職の退職金との差額も損害として請求できる可能性があります。

④ 弁護士費用

 実務上、(不法行為に基づく)損害賠償請求の損害が裁判所に認められた場合、認められた損害の1割程度が、弁護士費用の損害として認められます。

 例えば逸失利益や慰謝料等の損害が150万円認められた場合、その1割程度である15万円が弁護士費用の損害として認められます。その結果、裁判所が認める損害の金額は、合計165万円になります。

第4 さいごに

 復職を求めるか否かによって会社に対して請求できる内容が異なる等、不当解雇(違法な解雇)の効力を争う際の法的なポイントが複数あります。

 不当解雇(違法な解雇)の対応を弁護士に依頼したい場合、当事務所へご相談ください。お問い合わせは、「お問い合わせフォーム」からお願いいたします。

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