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【不当解雇】求人情報では正社員との記載があるのに、有期雇用契約と判断された事例

2026 2/22
労働問題 労働契約締結に関する問題(労働契約成立・労働条件、採用内定取消、本採用拒否等) 裁判例
2026年2月22日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

概要

 令和5年1月16日東京地裁判決労働判例1341号152頁・ISS事件は、会社との間で雇用契約を締結した原告が、会社に対して、次の主張をした事案です。

 ①雇用契約が無期雇用契約(期間の定めのない契約)である。

 ②仮に有期雇用契約であり契約期間が満了しているとしても労働契約法19条によって更新されている。

 論点は複数ありますが、以下では、求人情報と実際の契約条件の齟齬(違い)についての判断をご紹介いたします。

雇用契約書の作成経緯

 原告は、会社との間で、次の内容の雇用契約書等を作成していました。

 令和2年1月20日付け雇用契約書

 当該契約書には、原告の署名押印が押されています。内容は、次のとおりです。

 契約期間 期間の定めあり(令和2年2月3日から同年5月2日まで)

 上記の期間を試用期間とし、3か月間の有期雇用契約とする。

 退職 入社より3か月間は試用期間とする。定年性あり、役職定年あり。

 期間の定めのある契約書が、令和2年5月26日、同年7月31日も作成されています。

求人情報との齟齬(違い)

 会社は、求人情報掲載サイトにおいて、令和元年10月から約3か月間、26歳以下を対象に、正社員・試用期間3か月間の求人情報を掲載していました。

 裁判所は、原告が、求人情報を閲覧した上、自らが当時29歳であり26歳以下との求人条件を満たしていないものの、書類選考で不採用とされてもやむを得ないと考え、求人情報に応募したとの事実を認定しています。

 そして、裁判所は、求人情報との齟齬(違い)について、「当時29歳であった原告は当該求人条件を満たしていなかったことに加え、原告が、本件契約期間に関する記載を認識して異議を述べることなく同月20日付け雇用契約書に署名押印したことに照らすと、当該雇用契約書の作成に先立ち、前記求人情報通りの内容で何らかの雇用契約が成立したとは認められず、当該雇用契約書の作成時にその記載内容に従って本件雇用契約が成立したというのが相当であるから、原告の主張を採用することができない。」と判断しています。

 以上のとおり、本件では、求人情報掲載の求人条件、実際の雇用契約締結の経緯等を踏まえて、求人情報では正社員募集と記載されていたけれども、会社と原告との間の雇用契約が有期雇用契約であると判断されています。

さいごに

 求人票・求人情報や実際の労働条件との齟齬(違い、相違)についての労働問題は、比較的多い問題ではないかと思います。

 正社員だと思っていたのに実際は非正規労働者だった、月給(基本給)30万円だと思っていたのに固定残業代数万円が含まれていた等、労働トラブルは多種多様です。

 労働条件に関する法的なトラブルは、弁護士にご相談ください。

 当事務所もご相談をお受けしています。

     

    労働問題 労働契約締結に関する問題(労働契約成立・労働条件、採用内定取消、本採用拒否等) 裁判例
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