労働契約法は、懲戒に関して、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定めています(労働契約法15条)。懲戒解雇は、無効となることがあります。
懲戒解雇の有効性が争われる事案には、暴力・暴言、犯罪、情報漏洩等様々な事案がありますが、パワハラやセクハラ等のハラスメントを懲戒解雇の理由とした事案もあります。
なかには、ストーカー行為が懲戒解雇の理由になることがあります。それでは、ストーカー行為を理由とした懲戒解雇は有効なのでしょうか。
結論としては、ストーカー行為がハラスメントに該当する等の理由で、懲戒解雇が有効となる可能性があります。
東京高裁令和3年7月14日判決労働判例1250号58頁は、ストーカー行為を理由とした諭旨免職処分1等の有効性が争われた事案で、①被害女性に視線を送る行為、②被害女性が利用する座席のそばの座席を使用する行為、③被害女性が退社する際にその後をつけてエスカレーターに一緒に乗る行為、④駅で待ち伏せする、ホームで被害女性を見失うと、被害女性が利用する乗換駅に行って被害女性を探したりする行為等について、「1審原告による本件ストーカー行為は、このような就業規則123条20号に該当する上、(中略)その内容も相当程度に悪質であって看過できないものであったことに鑑みれば、1審原告が、本件ストーカー行為が発覚するまでに懲戒処分を受けたことがなく、管理職の地位にある者でもないことなどを考慮しても、本件諭旨免職処分については、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であるとは認められない場合に当たるとはいえないというべきであり、1審被告において懲戒権を濫用したものとはいえず有効であると認められる。」と判断しています。
とはいえ、懲戒処分には弁明の機会を付与する必要がありますが2、手続が適切に行われたかも問題となり得ます。また、ストーカー行為の内容・悪質性等も問題となり得ます。
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