自律神経失調症や心身症は精神障害の労災の対象にならない
働き過ぎや上司からのパワハラ等が原因で体調を崩して自律神経失調症や心身症の診断を受ける方がいます。診断を受けた方の中には、精神障害の労災の申請をお考えの方もいると思います。
ですが、自律神経失調症や心身症は、精神障害の労災の対象になりません。
精神障害の労災の認定基準では、対象になる病気が定められています。対象になる病気は、「主としてICD‐10のF2からF4に分類される精神障害」です1。具体的には、うつ病、適応障害、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症等が対象になります。
精神障害の労災の認定基準では、「心身症は、本認定基準における精神障害には含まれない」と明記されています。不眠といった睡眠障害も、心身症、うつ病や統合失調症等の症状として現れることがあります2。心身症としての不眠の場合には、精神障害の労災の対象にはなりません。
また、自律神経失調症は、ICD‐10のG90に分類され、精神障害の労災の対象にならないとされています。
うつ病等の症状の有無の確認が必要
心身症と診断されても、うつ病や適応障害等、精神障害の労災の対象になる病気の診断が付かないのか、確認が必要です。
また、自律神経失調症という診断名は、更年期障害などのように実際に自律神経機能の変調をきたす場合のほか、身体的検査で異常所見がみられないのに訴えがつづくとき、便宜的に使用されることが多いです3。実際には、うつ病などの診断が付く場合もあります。自律神経失調症と診断された場合にも、うつ病や適応障害等、精神障害の労災の対象になる病気の診断が付かないのか、確認が必要です。
うつ病や適応障害等の診断が付けば、精神障害の労災の対象になります。精神障害の労災が認められる条件を満たせば、休業補償給付等の補償を受けることができます。
さいごに
うつ病等の精神障害の労災申請は、弁護士にご相談ください。
当事務所もご相談をお受けしています。
