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【パワハラ】自爆営業のパワハラ防止指針への明記

2026 2/22
労働問題 ハラスメントに関する問題(パワハラ、セクハラ、マタハラ、カスハラ等) 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等)
2026年2月22日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

 パワハラ防止法、及びパワハラ防止指針が存在します。

 パワハラ防止指針

 予定では、本年10月に、パワハラ防止指針の内容がより明確化され、いわゆる自爆営業(商品の買取の強要等)がパワハラの3要素を満たす場合にはパワハラに該当する旨が明記される予定です1。

 自爆営業については、達成困難なノルマの設定等による心理的負荷等としても評価されることがあります。

 例えば、過労自死事案の令和6年9月12日名古屋高等裁判所判決は、「必要のない親族名義のクレジットカード等の契約を締結したりすること(いわゆる自爆営業)は、通常の営業活動の範囲内にあるということは到底できない。すなわち、(中略)自爆営業を行っていたのであるから、Z支店における営業目標が厳しいものであったことを示しているということができる。(中略)そして、B支店長が、Aに、「おまえの家、金持ちなんだから親に頼んでどうにかなるだろう、仕事を引っ張ってこい。」などと詰め寄っていることからすると、少なくともAについては、自爆営業を余儀なくされるような達成困難な営業目標が設定され、自爆営業が限界に達した状況にあってもなお、同様の自爆営業的な手段まで使った営業目標の達成を要求されていたことが優に推認されるのである。(中略)以上のとおり、Aは、自爆営業まで行い、既にその限界に達していたのに、B支店長から、その継続を要求され、案件が取れないことについて「給料泥棒」などと罵られ、胸倉を掴んで罵倒されていたのであるから、達成困難な営業目標(ノルマ)の設定という点のみにおいても、一般的な金融機関の職員にとって、その心理的負荷の程度は少なくとも「中」に該当し、「強」に近いものであったというべきである。」と判示しています。

 実際に自爆営業をせざるを得ない状況において、パワハラに該当するかが問題となる場面もあるかと思われます。

 仮にパワハラに該当しないとしても強度(に近い)の心理的負荷が存在することもありますし、パワハラにも該当するのであればパワハラ防止指針が明確化することで、達成困難な営業目標(ノルマ)の設定等に加えてパワハラによる心理的負荷もあると主張しやすくなると思われます。

 うつ病や過労自死等の労災の認定基準の別表の出来事の具体例では、パワハラ指針等の内容が反映され、いわゆるパワハラの6類型が明記される等しています。パワハラ防止指針が改正されることで、パワハラの法的な問題のみならず、うつ病や過労自死等の精神疾患の労災申請にも影響を及ぼすと思われます。

 自爆営業をしていて苦しんでいる方、ご家族が自爆営業をしている方は、弁護士へのご相談もご検討ください。

 当事務所もご相談をお受けしています。

    1. 労働新聞3532号 ↩︎
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