うつ病等の診断を以前に受けたことがある方が、発病後に職場でパワハラや嫌がらせ等を受けて、再度うつ病と診断された場合、労災申請をして、労災認定を受けることができるのでしょうか。
結論としては、場合によっては、労災認定を受けることができます。
うつ病等の精神疾患の労災申請では、原則として、うつ病等の発病前おおむね6か月の仕事による心理的負荷(ストレス)が評価対象になります。
”発病前”の出来事が評価対象になるため、①以前にうつ病等の診断を受けた時点(厳密には発病した時点)から前の出来事が評価対象になるのか、それとも、②再度うつ病等と診断された時点(厳密には診断前の何時からかは問題になり得る)から前の出来事が評価対象になるのかが問題になります。
例えば、以下のような場合、以前にうつ病等の診断を受けた時点(Ⅹ年Ⅹ1月)が基準になると、労災の原則的な条件を満たしません(例外的に、症状の悪化として労災として認定される可能性はあります。)。
Ⅹ年Ⅹ1月 仕事以外の理由でうつ病を発病
Ⅹ年Ⅹ2月 職場でパワハラや嫌がらせ等の仕事による強い心理的負荷
Ⅹ年Ⅹ3月 改めてうつ病と診断を受ける。
ただ、最初に発病したうつ病等の精神疾患の症状が安定し、又は治ゆ(症状固定)した後に職場でパワハラ等を受け、新たにうつ病を発病した場合には、改めて発病した時点(Ⅹ年Ⅹ3月)が基準になります。
以下のような場合も、発病時期が問題になります。
Ⅹ年Ⅹ1月 職場でパワハラや嫌がらせ等の仕事による強い心理的負荷
Ⅹ年Ⅹ2月 うつ病を発病
Ⅹ年Ⅹ3月 職場でパワハラや嫌がらせ等の仕事による強い心理的負荷
Ⅹ年Ⅹ4月 改めてうつ病と診断を受ける。
以上のように、うつ病等の既往歴がある場合のうつ病等の労災申請は、発病時期等が問題となるため、慎重に検討することが必要です。
うつ病等の労災申請は、弁護士にご相談ください。
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