退職勧奨を受けたら、必ず、希望の解決金での合意ができるのでしょうか。結論から申し上げると、必ずしもそうとは限りません。
まず、退職勧奨は、会社が労働者に対して退職を求めることです。解雇とは違い、労働者を一方的に辞めさせることではないです。
退職勧奨をすること自体は、原則として、違法ではありません。また、労働者も、退職に応じる法的な義務がないので、断ることができます(労働者が断っているのに執拗に退職を求める行為等は、違法と評価される可能性があります)。
上記は、会社からの退職の要求(退職勧奨)でもご説明しています。
退職勧奨に応じる義務がないとはいえ、退職勧奨を受けることで、退職を拒否することではなく、退職条件次第では退職したいという希望もあると思います。
辞めてくれと言われるのは、自分を否定されたように感じられます。必要とされていない職場で働き続ける意味があるのかと思われるのも、無理はないです。
また、退職勧奨をされること自体、相当程度の心理的負荷(ストレス)があります。うつ病等の精神疾患の労災の認定基準の別表である業務による心理的負荷評価表では、心理的負荷(ストレス)を与える出来事の具体例として、退職を強要されることが明記されています(退職強要だけで労災と認められるほどの強い負荷がある場合も、明記されています)1。
そこで、退職勧奨を受けた場合、退職条件を交渉することも考えられます。
確かに、場合によっては、弁護士が介入することで、介入前に会社が提示していた条件よりも良い条件で合意に至ることもあります。
しかし、条件が良くなるとは限りません。
労働者も、会社も、どの程度の条件であれば退職を前提とした解決が出来るかを考えています。退職勧奨をされたからといって、必ずしも、労働者の希望通りの条件で合意できるわけではありません。
会社から提示された条件が変わらない場合、会社が退職勧奨を撤回する場合や、退職勧奨の撤回後に配転命令(異動)を出す場合等もあります。もちろん、退職勧奨に応じないことで、会社が解雇を選択することもあります。
退職勧奨の交渉をする場合には、様々な可能性を想定する必要があります。
とはいえ、納得できる解決を目指すのが一番です。退職勧奨をご相談いただければ、弁護士は、ご協力できます。少なくとも、直接会社とやり取りをすることによる精神的負荷が軽減されます。
退職勧奨の労働問題については、当事務所もご相談をお受けしています。
