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うつ病・過労自死(自殺)の労災申請は難しい?

2025 10/15
労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等)
2025年10月15日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

うつ病や過労自死(自殺)の労災申請は難しい?

 長時間残業やパワハラ等によってうつ病や適応障害等の病気になったら、被災者は、労災申請をして、休業補償等を受けることができます。

 また、うつ病等の病気になり自死された場合、ご遺族は、遺族補償給付等を受けることができます。

 しかし、被災者やご遺族が労災申請をされようとすると、職場の方、社労士や、労基署の窓口の方等から、うつ病や過労自死の労災申請は難しい旨言われることがあるのではないでしょうか。

 実際には長時間の残業やパワハラ等によってうつ病や適応障害等の病気になっているのに、労災申請をしても認められない等と話されることがあると思います。

うつ病等の原因が仕事であることが分かりにくい?

 確かに、うつ病等の原因が仕事であることは、分かりにくい側面があると思います。

 例えば仕事中に転落したり、墜落したり、機械に巻き込まれたりした場合、仕事が原因であることは分かりやすいと思います。

 他方で、長時間残業やパワハラ等による心理的負荷(ストレス)は、目には見えません。

ストレス-脆弱性理論?1

 精神障害の労災の認定基準では、うつ病や適応障害等の精神疾患が、様々な要因が組み合わされて発病することを前提に、ストレス-脆弱性理論という理論に依拠しています。

 ストレス-脆弱性理論は、環境由来の心理的負荷(ストレス)と、個体側の脆弱性等との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まり、心理的負荷(ストレス)が非常に大きければ個体側の脆弱性が小さくても精神的破綻が起こるし、脆弱性が大きければ、心理的負荷(ストレス)が小さくても破綻が生ずるとする考え方です。

 (精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書・10頁)

心理的負荷を与える出来事?

 そして、精神障害の労災の認定基準では、仕事による心理的負荷(ストレス)を与える出来事や、その審理的負荷(ストレス)の強度の例が明記されています。

 例えば、長時間労働であればどの程度の時間外労働があったり、変化があると、心理的負荷(ストレス)がどの程度で、パワハラであればどの程度のパワハラであれば心理的負荷(ストレス)がどの程度か等が明記されています。

うつ病や過労自死(自殺)の労災申請は本当に厳しい?

 うつ病や過労自死(自殺)の労災には原則的な要件があります2が、仕事による心理的負荷(ストレス)とうつ病等の発病については、以下のようになると思われます。

 パワハラや長時間残業等の仕事での出来事→心理的負荷(ストレス)→うつ病等の発病

 確かに仕事での出来事とうつ病等の間の心理的負荷(ストレス)は目には見えませんが、仕事での出来事は、被災者が実際に経験したことです。

 そのため、被災者が実際に経験した長時間労働やパワハラ等が労災と認められるほどの実態があるのか否か、実態があるとしてそれを証明できるのか(事実認定されるのか)が問題になります。

 うつ病や過労自死(自殺)の労災認定を得るのが簡単ではないのはそうですが(弁護士の仕事の中でも専門的と言われていると思います。)、働き方の実態を確認して、証拠を集めることで、実際に厳しいか否かの見通しを立てることができます。

うつ病や過労自死(自殺)の労災申請は弁護士にご相談を

 ですので、どれだけ大変だったのかも知らず、証拠を集めて確認しようともしていない方々からうつ病の労災申請は難しい等と言われても、必ずしも諦める必要はありません。自死された方で、医師の診断が無く(通院歴が無く)、診断がないと労災が難しいと言われた場合も、同様です。

 証拠を集めるのも大変な作業ではありますが、弁護士は、証拠を集めるところから協力できます。うつ病や過労自死(自殺)の労災申請は、弁護士にご相談ください。

 当事務所もご相談をお受けしています。

    1. https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001117056.pdf ↩︎
    2. 精神障害の労災の労災請求の手続の流れ ↩︎
    労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等)
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