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【未払賃金】労働契約の賃金額が最低賃金を基に判断された事例

2026 2/22
労働問題 賃金に関する問題(未払賃金、賞与、残業代等) 裁判例
2026年2月22日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

1 最低賃金とは?

 最低賃金制度は、国が最低賃金額を定めて、労働契約上、最低賃金を下回る賃金を定めることを禁止する制度です1。

 会社は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないです2。

 また、最低賃金の適用を受ける労働者と会社との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とされ、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなされます3。

 例えば、2024年10月1日からの神奈川県の最低賃金は、1,162円です4。これより低い給与を定める労働契約の部分は、無効です。

 労働問題のなかには、最低賃金を下回る給与の問題もあります。

2 2022年4月28日大阪地方裁判所判決労働判例1285号93頁

 本件判決は、2004年に被告と労働契約を締結した原告が、被告に対して、日給7000円と合意したにもかかわらず日給6000円しか支払われず、これが最低賃金法4条2項所定の最低賃金額に達しない賃金になった後も日給6000円しか支払わなかった等と主張して、未払賃金等として合計約340万円の支払等を求めた事案です。

 本件判決では最低賃金と賃金の金額以外についても判断していますが、以下では、最低賃金と賃金の金額についての判断を紹介いたします。

 前提として、原告は、日給7000円の労働契約が成立したのに、被告が一方的に日給6000円にした旨主張していました。

 この原告の主張については、本件判決は、原告が書いていたノートの内容等から、2004年3月分の賃金額が日給7000円であるけれども、それ以降が日給6000円であると認められると判断しています。

 そして、本件判決は、当事者間で合意した賃金額が日給6000円であり、原告の1日の所定労働時間が8時間であることから、日給を時間についての金額に換算すると750円であると述べています。

 また、本件判決は、大阪府の最低賃金が2009年9月30日時点で1時間当たり762円であり、それ以降労働契約が終了するまでの間、継続して1時間当たり750円を上回る金額であったと述べています。

 その上で、本件判決は、「平成21年9月30日以降の本件労働契約の賃金額は、大阪府の1時間当たりの最低賃金額に所定労働時間8時間を乗じた金額を日給とするものとなる。」と判断しました。

 最低賃金額は、単に給与が低すぎるという労働問題のみならず、残業代請求等においても問題となり得ます。

 最低賃金の労働問題は弁護士にご相談ください。当事務所もご相談をお受けしています。

    1. 水町勇一郎.詳解労働法第3版.一般財団法人東京大学出版会,2023.9,p.675 ↩︎
    2. 最低賃金法4条1項 ↩︎
    3. 最低賃金法4条2項 ↩︎
    4. https://www.pref.kanagawa.jp/docs/z4r/info/saichin.html ↩︎
    労働問題 賃金に関する問題(未払賃金、賞与、残業代等) 裁判例
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