松山地裁令和7年12月23日判決(労働判例ジャーナル169号27頁)は、停職の懲戒処分が無効であると認められた事例です。
当事者について、原告は、大学の准教授です。被告は、大学を運営する学校法人です。
原告は、部活動を行う部の監督を務めていたところ、部員に対するハラスメント等を理由として、停職45日間の懲戒処分を受けました。本件判決では、停職処分が無効であると認められました。
本件判決の事案では、ダンベル事案(ダンベルを叩きつけたり、放り投げたりした。)等の懲戒対象事案の事実があったと認定されています。事実認定においては、調査委員会の調査報告書も根拠になっています。
そして、懲戒対象事案は、いずれも、就業規則の定める懲戒事由に該当すると判断されています。
その上で、本件懲戒対象事案の事実が認められるとしても、経済学部教授会が意見を述べることなく決定されたことが重大な瑕疵であるして、懲戒処分が無効と判断されました。
大学の各学部教授会規則によれば、教授会は、准教授を含む教員の懲戒案のうち教育研究活動に関し学長が決定を行うに当たり、意見を述べるものと定められていました。本件判決の事案の審議経過では、経済学部教授会が意見を表明する前提としての審議を欠いたまま、経済学部教授会が意見を述べることなく決定されたと認定されました。そして、懲戒処分には、大学の各学部教授会規則に違反した瑕疵があると判断されました。結論として、そのような瑕疵が、懲戒処分を無効にするほどの重大な手続上の瑕疵と判断されました。
懲戒処分には、適正な手続が求められます1。本件判決では、懲戒対象事案が事実として認められると判断されながらも、適正な手続を経ていないことを理由として、懲戒処分が無効と判断されました。
- 弁明の機会については、【不当解雇】弁明の機会が与えられない懲戒処分は有効?をご覧ください。 ↩︎
