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【過労死等】産業廃棄物回収・運搬業務に従事していた故人の自死が労災と認められなかった事例・令和6年2月29日大阪地方裁判所判決

2026 3/28
労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等) 裁判例
2026年3月28日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

 令和6年2月29日大阪地方裁判所判決は、産業廃棄物回収・運搬業務に従事していた故人の自死が労災と認められなかった事例です。

 故人が勤務していた会社は、産業廃棄物の収集、運搬等を事業内容とする株式会社です。

 故人は、運転手として、取引先で産業廃棄物を回収し、処理施設に運搬する業務を日常的に担当されていました。故人は、平成29年9月、自死されました。

【本件判決の判断】

・各医師の意見書によれば発病時期がおおむね平成29年6月下旬頃から同年7月下旬頃までとの理解が共通していることや、継続的に診察してきた医師が7月3日の診察時に不安神経症としての投薬を継続し同年8月にうつ状態と診断した経緯等も踏まえると、その間のいずれかの時点において発病したと認めることが相当であること、故人の不安感などの様子等からすると、平成29年7月中旬には発病していた。

 不安神経症の既往がありましたが、うつ病を新たに発病したものと評価されているようです。

・ご遺族側からは平成29年7月28日又は同月29日を基準日(発病)とした場合には発症前2か月目から1か月目にかけて「仕事量が著しく増加して時間外労働も大幅に増える(中略)などの状況になり、業務に多大な労力を費やした(中略)」に該当する状況にあったとして、その心理的負荷が強とすべきであると主張されていました。

 本件判決は、発病時期が平成29年7月中旬と認めるべきであり、ご遺族の主張には理由がないと判断しました。また、事案に鑑みとしてご遺族側の主張も検討しましたが、結論としては、結局、心理的負荷の強度が「中」である例とされる1か月におおむね80時間以上の時間外労働を行ったにとどまると判断されています。

・その他、スタッドレスタイヤの装着要求による心理的負荷等も主張されていましたが、客観的にはトラブルとはいえず、上司との考え方の相違が生じたものとみる余地があるとしても心理的負荷が「弱」にとどまる等として、ご遺族側が主張する心理的負荷によって「強」の負荷があったとは認めませんでした。

・結論として、仕事による心理的負荷の強度が「強」であったとは認められない等の理由で、精神疾患の発病や自死が労災とは認められないとされました。

労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等) 裁判例
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