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うつ病や自死等の労災申請・損害賠償請求・安全配慮義務違反等、解雇・退職勧奨、残業代請求等の労働者側の労働問題を主に取り扱う栄田法律事務所(神奈川県横浜市)です。 | うつ病や自死の労災申請等の労働問題なら栄田法律事務所へ
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うつ病や過労自死(自殺)の労災不支給となった場合の対応

2025 10/25
労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等)
2025年10月25日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

はじめに

 うつ病や過労自死(自殺)の労災申請をすると、労働基準監督署は、労災に当たるか否かの判断をします。

 労災認定の判断がされると、被災者やそのご遺族は、休業補償給付や遺族補償給付等の補償を受給できます。

 他方で、労災に当たらないと判断されると、労災の不支給決定が出されます。不支給決定が出ると、休業補償給付や遺族補償給付等の補償を受給できません。また、うつ病等の精神障害の労災では、うつ病や自死(自殺)等の原因が仕事であるか否かが判断されます。仕事が原因でうつ病等の精神障害に罹患したり、自死(自殺)した場合、被災者やそのご遺族は、会社に対しても責任を追及できます。ですが、労災不支給決定が出されると、労基署が仕事が原因ではないと判断したことになるので、事実上、会社に対する責任追及にも支障が生じます。

労災不支給決定が出された場合の対応

 労災不支給の決定が出されたら、被災者やそのご遺族は、労働基準監督署を管轄する労働局の労働者災害補償保険審査官に対して審査請求を申し立てることができます(要は、不服を申し立てることができます。)。例えば、神奈川県内の労働基準監督署が労災不支給の決定をした場合、神奈川労働局の労働者災害補償保険審査官に対して審査請求を申し立てることができます。

 精神障害の労災の認定基準では、原則として、次の3つの条件を満たす必要があります。1つ目は、うつ病や適応障害等の対象となる病気になっていることです。2つ目は、うつ病等の病気となった時の前のおおむね6か月の間に仕事によって強い心理的負荷(ストレス)があったと認められることです(例えば上司からのパワハラ、長時間労働等)。3つ目は、仕事以外の心理的負荷(ストレス)等によって病気になったとは認められないことです。

 労災不支給の決定がでた場合、原則論としては、労働基準監督署は、上記の3つの条件を満たしていないと判断したと考えられます(例外的に悪化した場合に労災と認定されることもあります。)。

 そこで、審査請求では、労働基準監督署の判断を覆す戦略を検討する必要があります。例えば、うつ病や適応障害等の病気になっていないと判断されたのか、病気になった時期がパワハラや長時間の残業等があった時期よりも前であると判断されたのか(原則として、病気になった後のことは評価対象にならない。)、パワハラや長時間残業等が事実として認定されなかったのか等、不支給の理由も確認した上で、検討する必要があります。

 うつ病や自死(自殺)等の精神疾患の労災の場合、労働局は、労働基準監督署が行った調査や判断に関する資料を持っています。そこで、労働局に対して、調査等の記録の開示請求を行った方が良いです1。審査請求は、処分があった日の翌日から3か月以内に行う必要があります。開示請求の開示時期は、審査請求の期限より後になることもあります。審査請求の期限が過ぎてしまわないように気を付けてください。

さいごに

 うつ病や過労自死(自殺)の労災申請をしたところ不支給決定が届いた場合、弁護士にご相談ください。

 当事務所もご相談をお受けしています。

     

    1. 労災請求に対する労基署の判断内容等に関する記録の開示請求 ↩︎
    労働問題 労働災害の問題(過労死・過労自殺・過労うつ等)
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