労災請求に対する労基署の判断内容等に関する記録の開示請求

1 労基署の労災認定の判断内容等の資料の開示方法

 労働基準監督署の不支給決定(労災を認定しなかった判断)に対する審査請求(不服申立て)を検討している場合や、労災が認定され会社に対する損害賠償請求を検討している場合、労働基準監督署の労災認定の判断内容等の資料の開示請求をすることをお勧めいたします。

 労働基準監督署が調査及び収集した資料や、労働基準監督署の判断内容が記載された書類には被災した労働者やそのご遺族の個人情報に関する内容がついて記載されていることがあります(記載されていることが多いです。)。

 そのような内容について、被災者である労働者やそのご遺族は、個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求をすることができます(いわゆる情報公開法に基づく開示請求も可能です。)。

 労災の不支給決定を覆す方法や、会社に対する損害賠償請求の可否等(安全配慮義務違反の有無、故意・過失の有無等)の検討にあたっては、情報が多いほど十分に検討できます。例えば、墜落事故や転落事故等の事故型の労災事故の情報や、パワハラや長時間労働等が原因の過労死・過労自死等の労災の情報等がさらに分かる可能性があります。

 可能であれば、被災した労働者やそのご遺族は、開示請求をすることをお勧めいたします。

2 保有個人情報開示請求の方法

 保有個人情報開示請求は、具体的には、労災請求に対する決定を行った労働基準監督署(つまり、労災請求をした労働基準監督署)がある都道府県の労働局長宛てに行います。

 神奈川県の場合は、横浜、鶴見、川崎、横須賀、平塚や藤沢等に労働基準監督署がありますが、それらの労働基準監督署がある神奈川県内の神奈川労働局に必要書類を提出して行います。

 各都道府県の労働局のホームページをご覧いただければと存じますが、神奈川労働局は、保有個人情報開示請求制度についての案内のページを用意しています(神奈川労働局「行政機関が保有する個人の情報を本人に対して開示する制度について」)

3 開示を請求する保有個人情報

 保有個人情報開示請求書には開示を請求する保有個人情報(開示を求める情報の具体的な内容)を記載する必要があります。記載例については、開示請求する保有個人情報の特定に係る記載例が参考になります。

 労災事故の事故日や、労災の支給決定・不支給決定の日付は、労災請求をした労働基準監督署に確認する等して、確認することもできます。

4 保有個人情報開示請求に対する決定に対する不服申立て

 保有個人情報開示請求に対する決定に対しても、審査請求(不服)を申立てることができます。

 労働災害のご相談は、当事務所へご相談ください。お問い合わせは「お問い合わせフォーム」からお願いいたします。