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うつ病や自死等の労災申請・損害賠償請求・安全配慮義務違反等、解雇・退職勧奨、残業代請求等の労働者側の労働問題を主に取り扱う栄田法律事務所(神奈川県横浜市)です。 | うつ病や自死の労災申請等の労働問題なら栄田法律事務所へ
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会社から不当解雇された場合の労働者の対応

2024 12/01
労働問題 労働契約終了に関する問題(辞職、退職勧奨、解雇、整理解雇等)
2024年12月1日
弁護士栄田国良(神奈川県弁護士会所属)

1 はじめに

 会社から不当解雇された場合、労働者は、どのように対応すればよろしいのでしょうか?

 以下では、会社から不当解雇された場合の労働者の対応について述べます。

2 解雇か否かの確認をすること

 まず、解雇か否かを確認する必要があります。

 すなわち、会社での仕事を続けられなくなる(労働契約が終了する)場合、主として、以下の理由が考えられます。

 ①解雇(会社による一方的な労働契約の解約)

 ②合意解約(会社と労働者の合意による労働契約の終了)

 ③辞職(退職。労働者による一方的な労働契約の終了)

 ④雇止(期間の定めがある場合、契約期間満了後に契約を更新しないこと)

 上記のどれに該当するのかによって法的な対応が異なってくるため、事実確認をした上で、解雇か否かを確認する必要があります。

3 解雇の理由を特定すること

 次に、解雇の理由を特定する必要があります。

 解雇が解雇権の濫用[i]に該当するか否かは、解雇の理由が分からなければ、判断できないからです。

 解雇の理由を特定するために、会社に対して、退職の事由を記載した証明書の交付を求めること[ii]等の対応が考えられます。

4 法令違反・就業規則違反等の有無を確認すること

 会社の解雇が、個別の法律の解雇制限や、就業規則・労働協約の手続条項に違反していないかを確認する必要があります。

5 退職を受け入れるかのような行動はしないで、会社で仕事を続ける意思を表明すること

 解雇後の仕事ができない期間中の給与を請求する権利を確保するために、会社に対して、仕事を続ける意思を表明することが考えられます。

 また、自分から退職金を請求するなど、退職を受け入れるかのような行動は、解雇を争うことと矛盾するので、後に解雇の効力を争う際に、支障をきたす可能性があります。

6 解雇後の生活に必要な収入の手段

 雇用保険(仮給付制度)[iii]の受給、住宅確保給付金や生活保護といった社会保障制度の利用や、会社から一方的に振り込まれた退職金等を解雇後に発生しているはずの給与に充てること等が考えられます。

 また、他の会社で仕事をすることも考えられます。

 ただ、不当解雇の場合、会社に対して、不当解雇後の給与の支払を請求することができる可能性がありますが、他の会社で仕事をしている期間の給与を請求する権利が否定される可能性があります。また、会社から、労働者が他の会社で仕事をしていることを根拠として、合意解約や、会社で仕事を続ける意思を放棄した等の主張がされる可能性も否定できません。

7 解雇の効力を争う手段

 まず、解雇の効力を争う手段としては、交渉が考えられます。

 交渉以外の解雇の効力を争う手段としては、裁判の手続が考えられます。

 裁判の手続としては、本訴(通常の裁判手続)、労働審判、仮処分等が考えられます。

 裁判の手続に要する期間については事案によりますが、例えば、訴訟(通常の裁判手続)の場合には(一回目の)判決に至るまでに9ヶ月から1年ほど、労働審判の場合には審判に至るまでに3ヶ月前後を要します。

 裁判の手続は、労働者の希望内容、会社の対応や、法的手続の具体的な見通し等を考慮して、選択します。

 会社からの不当解雇は、当事務所へご相談ください。お問い合わせは、「お問い合わせフォーム」からお願いいたします。

8 参考文献

日本労働弁護団編著「新労働相談実践マニュアル」343頁以下、402頁 旬報法律事務所「明日、相談を受けても大丈夫!労働事件の基本と実務」32頁以下


[i] 労働契約法16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

[ii] 労働基準法22条1項 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

 2項 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。

 3項~4項

 「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」(1999年1月29日基発第45号)

 第2 労働条件の明示(法第15条第1項関係)

 3 書面の交付により明示すべき事項

 ⑷ 退職に関する事項

 退職の事由及び手続、解雇の事由等を明示しなければならないこと。

 なお、当該明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合においては、労働者の利便性をも考慮し、当該労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足りるものであること。

 なお、会社が解雇理由証明書を交付しない場合、労働基準法120条1号違反として、労働基準監督署に申告することも考えられます。

[iii] 仮給付の場合でも離職票が必要になるため、不当解雇を争う場合でも、会社から離職票を受け取る必要があります。

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