1 掲示板・SNSにおける誹謗中傷のプライバシー権侵害
2ちゃんねるや5チャンネル等の掲示板、Ⅹ(Twitter)やFacebook等のSNS、その他Googleマップ等のサイトにおいて、誹謗中傷の投稿・書き込みが行われ、プライバシー権が侵害されることがあります。
プライバシー権が侵害された場合、匿名の投稿主を特定するための発信者情報開示請求や慰謝料請求等を行うことが考えられます。
2 ネット上の誹謗中傷のプライバシー権侵害とは?
プライバシー権については、プライバシーという言葉が非常によく使われ、訴訟(裁判)においても頻繁に権利として主張されているにも拘わらず、プライバシー概念について多数の見解がある等との指摘がなされています1。
現在は、実務上、ネット上の誹謗中傷によるプライバシー侵害については、削除請求や発信者情報開示請求において、最高裁判例2を参考にして、6つの要素、すなわち①当該事実の性質及び内容、②その者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度、③その者の社会的地位や影響力、④記事の目的や意義、⑤社会的状況のその後の変化、⑥当該事実を記載する必要性と諸般の事情を総合衡量して、公表する利益と公表されない利益のどちらが優先するか、によって、プライバシー権の侵害を分析・判断、主張立証します3。
3 プライバシー侵害の具体例は?
例えば次のような場合等に、プライバシー権が侵害されたと評価し得ます4。
① 前科前歴の公開・開示
② 誤解・偏見がある疾病、症状が重篤な疾病、遺伝に関わる疾病の公開・開示
③ 氏名・住居・電話番号の公開・開示
④ 収入源や具体的な収入金額、家計の支出の使途や金額等の公開・開示
⑤ 離婚をしたとの事実の公開・開示
⑥ 裸体、下着姿や自宅内の姿の画像による公表
ネット上の誹謗中傷のプライバシー権侵害のご相談は、当事務所もお受けしています。