未払賃金・退職金支払請求の法律相談

 以下のようなお悩みはないでしょうか。

・給料を一方的に減額された。

・賃金が未払いになっている。

・就業規則が変更され、給与も減額された。

・不当な降格に伴い賃金が減額された。

・支給されるはずの退職金が支給されない。

・懲戒解雇され、退職金が全く支給されなかったけれども、退職金の不支給の根拠がない。

 賃金は、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます(労働基準法11条)。

 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとされています(労働契約法3条1項)。労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができます(労働契約法8条)。賃金の減額は、労働条件の変更にあたりますので、原則として、労働者の個別の同意が必要です。個別の同意がない労働条件の切り下げは、無効です。

 労働者の個別の同意によらずに労働条件の切下げが許容される場合もあります。例えば、就業規則の変更や、職能資格制度・年俸制等の制度上の権限の行使や、人事権行使による降格を行う場合等が考えられます。

 例えば、就業規則による労働契約の内容の変更については、会社は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできないとされています(労働契約法9条本文)。ただし、会社が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとされています(労働契約法10条)。したがって、就業規則の変更による賃金の減額等の労働条件の変更が例外的に有効となる条件を満たさない場合、賃金の減額等の労働条件の変更は、無効です。

 一方的に賃金が減額された場合、賃金の減額が違法なものであり、減額された賃金を会社に対して請求できる可能性があります。

 退職金については、支給の有無や支給基準が専ら会社の裁量に委ねられた恩恵的給付の場合は賃金ではないと考えられています。ですが、就業規則や労働契約等で退職金を支給することや支給基準が定められていて、会社に支払い義務があるものは賃金と考えられています。

 退職金は、懲戒解雇に伴って不支給や減額の措置がとられることがあります。

 退職金の不支給や減額は、退職金規定等で明らかにされて、労働契約の内容となっていることで、会社が行うことができます。ですが、支給されるはずの退職金が支給されなかった場合や、減額された場合は、退職金の不支給や減額の条件を満たさない場合等は、不支給や減額の措置は違法です。

 退職金の不支給や減額の措置が違法であった場合、支給されるべきである退職金を支払うよう会社に対して請求できる可能性があります。

 賃金や退職金の不支給・減額については、会社との交渉で支払われることもありますが、労働審判や訴訟等の法的な手続をとらざるを得ない場合もあります。

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